本気で学べる広報! テレビマンから見た画が浮かぶPR施策とは
さて、広報経験が長いとテレビマンからメディアリレーションの際、こんなことを言われた経験があるのではないでしょうか?
「面白いんだけど、画が浮かばないんだよね」
「画が足りなそう」
一体それはどういうことなのか。戸惑ったことがあるはずです。
全社員がメディア経験者で構成されるKMCgroupは当然こうしたメディアならではの感覚も熟知。
そこで今回の記事では、テレビマンがよく口にする、この「画になる施策」とは一体どういうものなのか、解説したいと思います。
テレビマンが言う「画」とはなんなのか?
そもそもテレビは映像メディアです。つまり取材時に画が欠かせないのはいうまでもないでしょう。これはメディアの人間でなくても理解できるはずです。
ただし、メディアが言う画とメディア以外の方が言う画では齟齬が生じます。「単純にカメラを回せば画は撮れるのでは?」我々は普通そう考えるのですがメディアは違います。
例えば、ある情報番組でグルメネタを紹介するとします。恐らく尺は長くても3分程度でしょう。テレビマンはこの尺の中でどれくらい画替わりする映像が撮れるかを想像。取材の前に想定される構成を立て、そのストーリーにマッチする画を欲しがるのです。
いかに映像を担保できるか
仮に「行列のできる飲食店」を取材するとしたら以下のような映像は必須です
① 最低でも10人以上の行列
② 行列に並ぶ人のインタビュー(2名ほど)
③ 食べ終わった人の感想インタビュー(2名ほど)
④ 仕込みや調理風景
⑤ 店内の満席具合
⑥ キッチンのドタバタ
⑦ メニューの物撮り
⑧ オーナーインタビュー
最低でもこのくらいの映像が担保されないと例えロケはあったとしてもオンエアはされない、ということも多々あります。原因はもちろん映像不足にあります。
よくあるのがライバル店から「味を盗まれる」ことを恐れ、調理肯定を見せたくはない、というケース。相談すればちゃんと確信部分にはモザイク処理をしてもらえるので可能な限り公開するべきです。
さらに当日、お客様にインタビューを断られてしまうケースも多いパターンです。あらかじめ来店予定の常連さんにお声がけしてインタビューを受けてもらえるよう交渉しておくことをおすすめします。
画が浮かぶストーリーとは
上記した最低限の映像の担保はもちろん、ここにストーリー性があると取材の確度はあがります。テレビマンはこれを「画が浮かぶ」と例える事が多いです。
引き続き「行列のできる飲食店」を例に説明すると「店主の父と跡継ぎの息子が不仲」などという情報があるとディレクターであれば瞬時にストーリーが浮かぶはずです。
▼とにかく職人気質の頑固な店主
▼それに反発する息子
▼奇抜な新メニューなどを提案するがなかなか受け入れてもらえない
▼それを押し切ってメニュー化するが、果たして
もうこれだけでドラマ性があります。店側としては提示したくないようなネガティブな情報こそ、リークするのもメディア露出の確度をあげる一手として効果的な武器になる事があります。とにかく今ある情報は「こんなの役に立たない」と勝手に判断せずに提示してみてください。