本気で学べる広報! テレビマンから見たデキる広報とは?

2021年12月07日(火) PRのヒント
テレビマンから見たデキる広報
テレビマンとの関係維持に重要なことは?

デキる広報とは?

テレビマンから見たデキる広報って気になりませんか?

企業のあらゆる部署の中でメディアの人間と最も接触機会が多いのが広報担当。企業広報はテレビマンからどう見られているのでしょうか。

全員がメディア経験者で構成される我々KMCのメンバーは当然、現役テレビクルーとの親交も厚く日々、取材で訪れた先の広報担当の印象を聞くこともよくあるのですが、やはり評判の良い広報と悪い広報に別れがち。そこで一体どんな広報担当がテレビマンから見ると優秀と思われているのかを今回記事にしたいと思います。

テレビマンとどこで接点をもつのか

そもそも広報担当者がメディア関係者と接点をどこで持つのかというと、やはり取材が入った時になります。リリースなどの情報を元にメディア側から取材の依頼があるケースもあれば、プレスイベントを開催した際、そこに複数のメディアが取材に訪れるケースもあります。

広報担当者としてはこれをキッカケに親交を深めたい。中でも現役テレビマンとは良好な関係を築いておきたいと思うものですが、正直、テレビマンから言うと一つの企業を集中的に取材することなどまずないので一人の広報と親交を深めるメリットは特にありません。

にもかかわらずここで広報がよくやってしまう間違いが、関係を持続させたい一心で彼らテレビマンに情報を提供し続けようとやたら自社の新製品などをアピールすることです。テレビマンからすると最も困惑するアプローチです。

テレビマンとの関係を持続するには

では、テレビマンから好感を持たれるようなアプローチとは一体どのようなものなのでしょうか。―――答えは簡単です。

まず、自社の広報である事をやめることです。

とはいえ誤解しないでください。もちろん実際に会社を辞める必要などありません。情報をテレビマンに提供する上で自社の広報という考えを捨てて、あなたの会社が所属する「業界全体の広報」という気持ちで接し、アプローチしてみてください。これこそがテレビマンから見たフラットな見解を持つ優秀な広報になります。

こうすることで、まずネタの枯渇がなくなります。何しろ提供するネタは自社の情報だけではなく、業界全体に広がるので当然です。こうなるとテレビマンの方の見方もガラッと変わるハズです。そもそも自社の利益だけにこだわらない広報などそういないので「面白い」と興味をもってもらえますし、ある種、業界の専門家として見てもらえ、このスタンスを続けていればテレビマンの方から質問も寄せられるようになるハズです。

広報の横の繋がりを大切に

さらにもっと言うと、業界を越境し「あらゆる企業のトレンドに詳しい広報」というスタンスをとれるようになると信頼度は更に増すはずです。その為には広報同士の横の繋がりを大切にしましょう。Twitterなどで広報コミュニティを作るのも大きな武器になります。

こうなるともはや一つの業界を超えたリサーチャー的な立ち位置。「今こんな企画でこんな会社を探しているのですが」というような依頼が舞い込むようになったらしめたもの。あなたの会社の情報も定期的に直接受け取ってもらえるようになるはずです。

また、こうしてある程度関係を構築出来たら広報コミュニティ内の勉強会やウェビナーの講師等にも積極的に声をかけてみたください。敷居が高いと思われている方も多いと思いますが意外に喜んで引き受けてもらえることが多いハズです。

情報を提供する際もフラットに横並びを意識

朝夕の帯の情報番組の中では「並び」という専門用語があります。たとえば「行列1時間を街の繁盛店」というような特集があたったら一店舗だけを取材することはありません。少なくても3店舗は紹介しないと特集として成立しないからです。

そこで自社の情報を提供する際もまずこの並びネタを意識。例えば自社のユニークな福利厚生をはじめとする社内制度の情報を提供しようとした時、必ず他者の意外な社内制度の情報も添えるよう心掛けてみてください。場合によっては「こんな情報揃ったのですが例えば〝まさかの社内制度〟みたいな特集企画としてどうですかね?」というように企画として提案してみるのも良いでしょう。

ただこれはテレビマンによっては「出過ぎたことを」と嫌がる方もおおいのでその方の特性を見極めた上で。危険を回避するならあくまでもネタだけを提供しておいた方が無難です。

懇意にしているテレビマンの番組は徹底チェック

これは別に懇意にしてるしてないにかかわらず最低でも自社で露出を狙っている番組は最低限チェックする癖をつけてください。テレビ離れもあってか広報の方も最近テレビを見ない方が本当に多い印象。そのくせ露出だけを願ってやたらアプローチしてもテレビマンからしたらしらけます。心からその番組のファンになり特集の傾向など分析。「おもしろかったです」などと定期的に感想を伝えるのもまた関係をキープさせることに繋がります。

そして何より番組の傾向やカルチャーを知る事でおのずと提案すべき情報も見えてきます。是非、番組を誰よりも知るファンになってみてください。

アプローチすべきテレビ業界の職種

さて、ここまでテレビマンとの関係の築き方を紹介してきましたが、そもそもテレビ業界には職種が多く、一体どんな職種の人と関係を構築すべきなのか、という疑問もあるかもしれません。ただ、実際に取材に訪れるのは現場のADとディレクター。そしてカメラマンくらいなのでそこで知り合った現場の人間としか物理的に関係は築けません。企画の決定権を持つのは番組の総合演出であることが多いですが、彼らが現場に出向くことはまずありませんので、ディレクターを中心に親交を深める形で問題ありません。情報を彼らに提案し、目に留まれば構成会議にかけてもらえます。単純にリリースを配信するより露出の確度は飛躍的にあがるはずです。

ただし、これを語る人はほぼいませんが、実は現場で出会う事はまずないある職種の方々とリレーションを構築する裏技が存在します。しかも彼らは現場のディレクター以上に日々、情報を探す専門の職種。そう、番組リサーチャーです。基本、どの情報番組にも数名のリサーチャーがスタッフとして存在。彼・彼女たちは番組にネタを提供するのが仕事です。しかも局員(正規スタッフ)ではありません。つまり民放各局をまたぎ複数の番組に情報を提供するので、広報から見たら提案できる番組の幅が広がる可能性があります。

とはいえ、彼・彼女たちが取材現場を訪れる事はまずなく接点もありません。ただし、彼らは基本リサーチ会社に所属するのでマスコミ電話帳やネット検索で「テレビ番組 リサーチ会社」で検索するといくつかヒットするのでその会社宛てに定期的に情報を直接送るのも効果的です。

結局は人間関係

いずれにせよ結局、基本は人間関係です。正直、未だテレビマンは昔気質な人も多く、なかなか連絡がつかなかったりと一般企業の広報から見ると常識はずれな印象を持つ方も多いかもしれません。でもそんな人ほど根気強くアプローチし続けると頼りになるもの。もしSNSなどやっているようならフォローして定期的にいいねしたりDMをしてみたり、とにかくこちらからのアクションを続けてみてください。きっと心をひらいてくれるはずです。

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