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広告換算値とは? 広報・PRの成果を計測する方法について

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広告換算(こうこくかんさん)とは広報・PRにおける、もっともポピュラーな成果測定の手法です。獲得したメディア露出を、広告として購入した場合どれだけの金額が必要か? その数値を広告換算値(こうこくかんさんち)と呼びます。

たとえばテレビ露出したケースでの広告換算は?

テレビ番組に取材されたケースでは、15秒のスポットCM料金を元にして、まずオンエア1秒あたり何万円の価値があるかを算出します。スポットCMとは番組と番組の間に流れるCMのことで、番組中に挟まってくる「タイムCM」とは区別されています。※つまり番組のスポンサーではなく、1回だけCMを流す場合の料金。

テレビのスポットCM料金は、放映される時間帯によって異なります。最も高価なゴールデンタイムから最安の深夜帯まで「A」「特B」「B」「C」の4段階に区分けされています。

たとえば、22時台のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」で47秒間オンエアされたときの計算式は、このようになります。

テレビ東京(TX)平日22時台は「A」なので、15秒スポットCM料金は900,000円。
900,000円を15で割れば、オンエア1秒あたり60,000円相当の価値であると算出できる。
60,000円 × 47秒 = 2,820,000円 が、この場合の広告換算値。

なお数値のベースとなるCM出稿料金は、一般社団法人日本広告業協会(JAAA)が年1回発行している「放送広告料金表」を参照するのが一般的です。

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KMCも、毎年10月に発行されるこの冊子を購入して、情報をアップデートしています。

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※著作物ですので、写真にボカシ加工を施しています。

テレビ以外のメディア、新聞、雑誌、ラジオ、WEBサイト等に露出した場合も考え方は同じです。まず露出ボリュームを計測します。新聞なら面積、WEBサイトなら記事本数。相当する広告枠を購入したとすればどれだけの金額が必要だったかをベース資料から算出する、これが広告換算のフローです。

広告換算値が広報・PR業界のスタンダードという現状

こうして導き出される広告換算値は、誰が計算しても、およそ同じ数値になります。PR成果を数値化することで「前年比〇〇%の露出を実現した」とか「施策Aよりも施策Bのほうが大きな露出を獲得した」など、大小比較が可能になります。これはとても便利なことですから、広告換算は日本のみならず世界でも、PR業界のスタンダードな指標として定着しています。※英語で広告換算値はAVE =  advertising value equivalents と呼ばれています。

注意・広告換算値の正しい活用法について

広告換算値イコール広告効果ではありませんので、この点は注意が必要です。広告換算値の正しい使い方は「ボリュームの比較」にあります。昨対比だったり、PR施策ごとの比較だったり、数値を比べて推移を見る。たとえば「昨年度の1.2倍の広告換算値を目指す」という形であれば正解です。

広報・PRに関する国際的な協会であるAMEC(International Association for Measurement and Evaluation of Communication/国際コミュニケーション測定評価協会)のフェローであるジム・マクナマラ教授も、PRの効果測定に関する基本的な考え方として2010年に「バルセロナ原則」を発表しました。※2020年に改定され現在は「バルセロナ原則3.0」となっています。

・コミュニケーション(≒PR)の測定と評価は、質と量の両方を含む必要がある。
・広告換算はコミュニケーションの価値を測定するものではない。

このとおり、広告換算はPRの価値を測るものではないと明記されています。ちなみにバルセロナ原則が提唱されて以降は、各種PRアワードの審査においても広告換算値は重視されなくなっています。

企業の業績に直接貢献する広報・PRとは?

バルセロナ原則はつまり、メディア露出の「質」が伴っていなければ、いくら「量」を積み上げたところで、企業の業績にプラス影響をもたらさないと主張しています。これは多くの広報担当者、そして経営者も同意するところでしょう。とくに中小ベンチャーや飲食店など店舗ビジネスでは売上に直結する広報・PRを求められていることと思います。※KMCはそれも可能と考えていますので、ご興味のある方は関連記事を御覧ください。

しかし、残念ながら広報・PR活動の「質」を数値化するシステムは今のところ存在しません。PRによって認知度が上がったとして、それが企業経営にどれくらい寄与したか? そのプラス影響を直接的に計測することは困難な現状です。

広告換算値のほかにPR成果を計測する方法は?

広報・PRの成果を数値化するのに、広告換算以外の方法をお探しの場合。おすすめするのは「認知度調査」です。時間と費用が掛かるのが難点ですが、精度は間違いありません。政治の世界で世論調査が多用されている背景もここにあります。内閣解散のタイミングでさえ、支持率調査の数値を見て決定されています。

具体的には、年に1~2回の調査実施し、数値の上下動を観測します。たとえば主婦向けのサービス展開をする企業であれば、首都圏在住の30代主婦3万人を対象に・サービス名の認知度を調査。広報部の目標は5年間で認知度を3ポイント上昇させて競合サービスの数値を上回ること、といった設計を行います。日々の広報業務における目標は5年後のゴールから逆算して、30代主婦にサービス名を想起してもらうためのメディア露出となるでしょう。ひたすら広告換算値の上昇を目指すよりも、建設的な広報業務が実現することと思われます。

なお費用に関しては、広告換算が5~10万円程度、認知度調査が50~100万円程度というのが相場です。

正しい用法を理解した上で、建設的なコミュニケーションを

経営陣や社内のスタッフから広報の成果を数字で示すよう求められる。これはよくある話です。そんなとき、広告換算値を活用しつつも、それがそのまま広告効果ではないことを、きちんと説明できる担当者でありたいものです。広報・PR活動は、テレビCMに代表されるマス広告とおなじです。すぐに爆発的な反響を得られるケースもあれば、じわじわと成約率をアップさせてくれるケースもあります。※ちなみにテレビCMもどれだけ売上アップに貢献したか、明確に計測する方法がいまだに存在しません……。

広報・PR担当者は、社内コミュニケーションの達人でもありたいですね。

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