【メディア攻略】この媒体はこう攻めろ!~情報番組編~

最終更新日: 2025年12月10日(水) PRのヒント

広報・PRにおけるメディア露出で欠かせない「情報番組」は、朝・昼・夕方・夜と時間帯によって扱う情報や視聴者層が大きく異なります。そのため、「情報番組ならどれも同じアプローチの仕方でいい」という考えでは、露出を獲得するのは難しいです。時間帯や番組ごとの特性を理解し、最適なタイミングで情報を届けることが重要です。

今回は、情報番組の露出を獲得するための攻略法を紹介します。

■情報番組とは?時間帯別の特徴を理解しよう

テレビの情報番組は、同じ「情報」を扱っていても、放送される時間帯によってその役割が大きく変わります。時間帯ごとに視聴者層が異なり、各層の生活リズムや求める情報に合わせて番組が作られています。

朝の情報番組:最新ニュース・天気・トレンド系

朝の時間帯は会社や学校に行くための準備や家事などと並行し「ながら見」することが前提となるため、短い時間で効率よく情報を得られる構成が特徴です。「その日の天気」や「最新ニュース」が最優先され、通学前の若い世代や子育て世代をターゲットにしたトレンドや新商品を紹介する生活情報系のコーナーが多くなります。

夕方の情報番組:生活に関わるニュース・”お得”情報など

夕方の番組は、主に主婦・主夫層を視聴者として想定し、スーパーの物価、節約術、子育てなど、家庭に直結する内容が多く取り上げられます。また、日中の出来事が一通り出揃う時間帯でもあるため、速報性を抑えつつ、「専門家の解説」なども交え、朝より少し深堀りされた情報を放送します。

夜の情報番組:政治・経済ニュース

夜は、仕事終わりの社会人が「今日どんな出来事があったのか」をしっかり把握したい時間帯です。政治・経済・国際ニュースなど、重めのテーマを掘り下げて伝える構成になっており、国会、外交、為替、企業動向といったテーマが中心となります。また、貧困や医療、教育、労働といった社会課題をテーマにした企画が増えるのも特徴です。

■知っておくと役立つ!情報番組の制作体制

情報番組は、ニュース、エンタメ、スポーツ、中継、企画など、様々なコーナーで構成されています。番組によっては、スタッフ100~150人規模で制作されることもあり、制作陣の主な役職は以下の通りです。

役職主な役割
プロデューサー(P)番組全体の責任者。取り上げる内容の最終判断や放送上のリスク管理を担当。
ディレクター(D)担当コーナー、放送するVTRの制作を進行。取材・撮影・編集を担当し、「どのネタをどう扱うか」を企画提案。
アシスタントディレクター(AD)ディレクターの補佐。取材先とのやり取りや素材整理など制作現場を支える。
構成作家(放送作家)番組の内容・流れを設計。台本や構成案、ナレーション原稿を作成。

どの役職でも最新の情報やトレンドを収集していますが、実際に取材をし、VTRを制作するのはディレクター(D)です。放送に向けて「どのネタをどう扱うか」を企画し提案する立場であることから、主に情報を集める役割を担っています。

■情報番組攻略 4つのポイント

情報番組にアプローチをする際に抑えたい4つのポイントを紹介します。

(1) 視聴者視点の切り口と季節性を意識する

番組は「視聴者が”いま”知りたい情報は何か」という視点を重視しています。情報提供する際は、「(自社の都合ではなく)視聴者が興味を持つ切り口になっているか」「季節性を捉えられているか」が重要です。例えば、「売り切れが発生する社会現象があるか」「他社からも類似商品が発売され、流行が生まれているか」といった切り口でアプローチすると、番組担当者に響きやすくなります。

(2) 番組の文脈を添えた情報提供

ディレクターは、報道資料やリリースのタイトルを見た時点で制作するVTRの内容をイメージしています。重要なのは、提供された情報がコーナーVTRの構成にフィットするかどうかです。情報を送る際は「コーナーVTRとどういう親和性があるか」「VTRの中でこういう文脈で取り上げられる可能性があるか」を添えると、相手の理解が早まり、信頼感が高まります。

(3) ネタ収集時期を理解し、タイミングを合わせる

情報番組で扱われるネタは、テーマによって情報の収集時期が大きく異なります。デイリーニュース・エンタメ・スポーツは直前の数日間で内容が決まりますが、特集や深掘りするVTRは数週間、企画ものは1〜3か月前から準備が始まります。このタイミングを把握することで、番組のスケジュールに合わせて適切にアプローチできます。

(4) コミュニケーションはタイミングが超重要!

ディレクターは目の前の担当ネタ(ロケやVTR制作)に集中しているため、早すぎるまたは遅すぎるタイミングでの提案は負担になり敬遠されます。情報を提供したいコーナーが、いつネタのリサーチを始めるのかを見極め、制作が動き出すタイミングを逆算することが大切です。また、メディアキャラバンなどで番組を訪問する際は放送準備の追い込み時間帯を避けるなど、番組のスケジュールを理解した気配りをすることで、相談しやすい関係が築けます。

まとめ

情報番組への露出を獲得するには、時間帯ごとの特性を理解し、視聴者が求める情報を適切なタイミングで届けることが不可欠です。朝・夕方・夜それぞれの番組が持つ特徴や視聴者層を把握し、ネタの収集時期に合わせてアプローチすること、そして「なぜ今この情報が視聴者にとって必要なのか」という視点で切り口を設計し、番組の文脈に沿った提案を行うことが大切です。

制作スタッフのスケジュールを理解し、適切なタイミングで情報提供を行うことで、信頼関係を築き、継続的な露出へと繋げていきましょう!

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