記者の心を動かすPR手法「ラウンドテーブル」の可能性

近年、広報活動の現場で注目されているのが「ラウンドテーブル」という形式の小規模プレス発表会です。メディアとの関係構築において、単なる情報提供の枠を超えた、戦略的なコミュニケーション手法として注目されています。この記事では、広報部門がなぜラウンドテーブルを活用すべきか、その有効性を実践的な視点から紐解いていきます。
記者との“対話”が生まれる、小規模で濃密な場づくり
プレスリリースを一斉送信するだけでは、なかなかメディアの関心を引きつけることはできません。情報が飽和している今、記者に「実際に話を聞いてみたい」と思わせるきっかけがが求められています。
ラウンドテーブルは、特定の媒体や業界記者を少人数で招いて、深い理解と関係性の構築を目指す形式のプレス発表の場です。記者側にとっては、企業のキーパーソンから直接話を聞ける貴重な機会であり、質問もしやすい環境が整っています。企業側にとっても、記者の反応や興味の方向をその場でキャッチアップでき、伝えるべき要点をリアルタイムで調整することができます。
KMCでも近年、ラウンドテーブルをプロデュースさせて頂く機会が増えています。
実際のラウンドテーブル潜入記事はこちら
企業が描く「理想の文脈」で報道される可能性

ラウンドテーブルでは、単なる事実の羅列ではなく、「なぜ今これが重要なのか」「社会にどんなインパクトをもたらすのか」といった、背景や意図をストーリーとして伝えることが可能です。質疑応答や、実際に商材に触れるタッチ&トライの時間を設けることで、記者の理解が深まり、ラウンドテーブルを実施する企業が望む“文脈”で記事化される可能性も高まります。
これはニッチな分野やBtoB商材など、一般的には伝わりづらい製品やサービスのPRにおいて、大きな武器になります。
薬機法などの表現制限がある商材にも適応できる
医薬品、化粧品、機能性表示食品など、広告表現に規制がかかる商材の広報活動は、伝え方に常に気を配る必要があります。誤解を招かず、かつ魅力的に理解してもらうには、伝える側に高度なバランスが求められます。
このような商材でも、ラウンドテーブルを活用すれば「記者に正しく製品を理解してもらう場」として機能します。補足説明や、ファクトとなるデータの提示、専門家による第三者の見解など柔軟な対応が可能なため、法規制に配慮しながらも、取材・報道につながるコミュニケーションが実現できます。
【事例】
実際に、WWD JAPANで紹介された化粧品メーカーの発表会では、専門家によるpH測定実験を交えた説明が製品の信頼性訴求に大きく貢献しています。(記事はこちら)
情報過多の時代だからこそ、“丁寧な伝達”が価値を持つ

ラウンドテーブルは、単なるイベントではなく、メディアとの継続的な関係構築の一歩です。一度しっかりと関係を築ければ、次の発表の際にも「また行ってみよう」と思ってもらえる可能性が高まります。
「もっと記者に深く伝えたい」「メディアとの関係性を強化したい」と考える広報部門にとって、ラウンドテーブルは試してみる価値のある、実践的なPR手法のひとつです。
KMCにはラウンドテーブルを成功に導いた多数の実績があります。詳細をお知りになりたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。