本気で学べる広報! PRと広告の違い

2021年11月30日(火) PRのヒント
PRとは、何か?
そもそもPR(広報)とは何か?

PRとは何か

いまいち定義づけの曖昧なPRとは一体何を目的にしたどんな活動なのでしょうか。結論から先に行ってしまうとPRとは、第三者からの客観的評価です。この記事では、PRの定義づけをはじめ、広告との違いを分かりやすく解説していきたいと思います。

さて「PR」といえば一般的には「パブリックリレーションズ」の略であり、その起源は「政治的プロパガンダ」とも言われており、日本パブリックリレーションズ協会ではこれを以下のように定義づけしています。

パブリックリレーションズ(Public Relations)とは、組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団)との望ましい関係を創り出すための考え方および行動のあり方である。19世紀末から20世紀にかけてアメリカで発展し、日本には第二次世界大戦後の1946年以降にアメリカから導入された。企業・官公庁・団体他、あらゆる組織の運営に欠くことのできない考え方といえる。

出典:日本パブリック・リレーションズ協会「広報・PRの定義」

ただ、こうして広義的に捉えその歴史や背景まで突き詰めると何か崇高な活動であるかのような印象を受けますがマーケティング視点で狭義的に捉えるとPRとは、主にメディアなどの第三者機関への情報発信を通じて、あらゆる経済活動を行う組織のブランド強化や売上向上に貢献する広報活動という文脈で捉えると分かりやすいかもしれません。つまり、メディアに取り上げてもらう為のロビイングといったところです。

広告とPRはどう違う?

ここでよく混同されがちなのが広告との違いです。PRと広告は一体何がどのように異なるのでしょうか。—答えは簡単です。その違いは、情報の発信者にあります。

広告の場合は、企業があらゆる媒体の広告枠を購入。その枠の中で企業やブランドが伝えたいメッセージを消費者に向けて直接伝えます。

一方で、PRの場合は、マスメディアやUGCつまりパーソナルな口コミによる第三者が発信源であり、客観的な視点でメッセージを発信。つまり、広告はお金で買えてしまいますが、PRはニュースバリューという話題説が不可欠。主な違いをまとめると、下記のようになります。

PRと広告の違い。

広告とPRのメリットデメリット

上の図でも記した通り、広告は、マスメディアやインターネット上の広告枠を企業が買い取って、その枠の中で自社の製品やサービスについてコンテンツなどを通して行う自己アピールに近い活動といえるでしょう。

当然、広告出稿というコストを割いているので自由度が高く、時期を含めほぼ希望通りのクリエイティブで訴求できます。ただし、あくまでも自社発信による情報なのでPRに比べると信頼性は低くなりますし、当然、内容や頻度によっては嫌悪されやすい傾向にあります。また、マスメディアへの広告出稿は予算感的にも莫大なコストがかかり、大企業でないと参入は困難です。

一方、PRでは、まずメディアや口コミを広めるユーザーサイドが「ニュースバリューがある」と判断しない限り取り上げてもらえません。つまりその情報を掲載するか否かを判断するのはあくまでもメディア。
さらに、仮に取り上げられたとしてもどう報じられるかはメディア側に委ねられ、情報発信者である企業にコントロールはできません。ただし、メディアという第三者を介すことで、消費者の信頼性は広告に比べると格段にあがります。

情報を受け取る消費者にとっては、第三者の客観的な視点での紹介の方が発信者本人の主観的な情報よりも信憑性が高いのは言うまでもないでしょう。さらに戦略やアイデア次第ではゼロコストで自社の製品やサービスの認知度を高められるのも大きなメリットです。

企業におけるPR活動

こうして広告とPRの違いを紹介すると、投資に対するリターンの大きなPRによりメリットがあるように感じるかもしれません。ただし、大きなコストリターンを得るためのPRには緻密な戦略設計が不可欠です。

かつて企業PRとはリリースを配信しメディアとコミュニケーションを図り、パブリシティを獲得すればそれで良い、という考えがありましたが今や時代遅れ。ソーシャルメディアの台頭によって消費者の情報リテラシーは飛躍的にアップ。企業の嘘やご都合主義はたちまち見破られてしまいます。

求められているのは今その商品が、サービスが必要な理由。つまり売れる空気を醸成する必要があります。そして何より誠実なブランドストーリーがあってはじめて世の中に拡散。

つまり、より顧客創造や消費者を動かすマーケティングに近い領域にPRが位置づけられています。

とはいえ企業におけるPR活動は、主に広報担当者が行っているケースがほとんどです。しかも中小企業やスタートアップ・ベンチャー企業においては専門の部署もなく広報担当者が不在、あるいは存在しても、ひとり広報というのが現状。マンパワーが足りずリリース配信で手一杯というケースも散見されます。

PR会社の活用

ということでPR活動の重要性は充分理解したとしても社内体制的に、あるいはコスト的にリソースを割けない企業も多いハズ。そのようなケースでは業務をアウトソーシング。PR会社の活用も視野にいれてみてはいかがでしょうか。

コンセプトメイクから企画の立案、ストーリー設計。さらにメディアへの露出から効果検証までをPR活動に精通したプロが戦略的に行ってくれます。自社のPR活動に課題を抱えている場合には、一度PR会社に相談してみることをおすすめします。

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