新任広報が最初に覚えるべき3つの基本。PRのプロが教える成功へのロードマップ

最終更新日: 2026年05月14日(木) PRのヒント インタビュー

4月から新しい環境で広報担当に着任された方も多いのではないでしょうか。広報業務に対し、「まずは何から手をつければいいのか」「メディアにはどうアプローチすべきか」と不安を感じる方もいるかもしれません。

広報の仕事は多岐にわたりますが、実は押さえるべき基本はシンプルです。今回はKMCgroup執行役員の園部が、広報担当者が最初にマスターすべき「プレスリリース」「取材対応」「メディアリレーション」の3つの基本について、成功へのロードマップを解説します。

【広報の基本① プレスリリース】「届く」プレスリリースの書き方

プレスリリースは、単なる企業情報の告知ではありません。メディアが記事執筆で使える素材を提供する「公式文書」であり、さらに社会に与えるインパクトを重視して書くことが求められます。

「広告」と「リリース」の決定的な違い

「広告」と「リリース」の最大の違いは主語です。「自社の商品が発売されました」という企業活動そのものではなく、「その新商品が社会をどう変えるのか」という視点、つまり社会を主語にして書くことが重要です。背景や、なぜその製品やサービスが開発されたのかというストーリーを書くことで、メディアが取り上げたくなる社会的なニュースに昇華されます。

「タイトル」「リード」「画像」の鉄則

・タイトルは30文字以内でファクト重視
読み手となるメディアはリリースを見て1秒で記事にするかしないか判断するため、情緒的な言葉よりもファクト(データやエビデンス)を重視します。具体的には「誰が何をどう変えるのか」を明確にし、リリースタイトルを30文字以内でまとめることがポイントです。造語や専門用語は避け、誰が見てもわかる言葉を使うのが鉄則です。

・リード文には「なぜ今なのか」を入れる
5W1Hを盛り込むことはもちろん、「なぜ今発表するのか」という理由を明確に書かなければ、そのリリースは埋もれてしまいます。

・画像は「意味」で選ぶ
画像は単なる装飾ではありません。業界に詳しくない人でも、製品の全体像や開発のこだわりが直感的に理解できるものを選ぶ必要があります。

新人広報あるある?気をつけるべきNGポイント

広報初心者の方が陥りがちなのが「情報を詰め込みすぎる」ことです。読み手が無理なく読める文字数は2000字程度。大切なのは、要素を削ぎ落とす勇気です。また、発売後に発信するリリースや新規性がなく読み物形式になっているリリースは情報の鮮度が低く、メディアからは評価されにくいため注意が必要です。

プレスリリース作成にはAIも積極的に活用

生産性向上のために、AIは積極的に活用すべきです。ただし、AI任せにするのは危険です。AIが作る文章はきれいにまとまりますが、ありきたりになりがちだからです。

差別化のためには、AIには作れない自社ならではの「独自の数字」や「事前調査のファクト」、「マーケティングストーリー」を盛り込むことが重要です。AIはあくまで終着点に近づけるための補助として使い、最後は読み手が直感的に理解できるよう、専門用語を避け、小学生や中学生にも伝わる言葉に変換する工夫が必要です。

【広報の基本② 取材対応】メディアを味方につける現場のリスクとマナー

取材対応は広報の腕の見せ所です。しかし、現場で記者の質問に答えるだけでは広報として十分ではありません。

事前準備の徹底

取材の「事前準備」と「記者が書きたいストーリーの把握」が成功の鍵です。記者がなぜ自社に取材に来たのか、その背景や意図(ストーリー)を把握せずに想定問答だけ固めても、蓋を開けたら理想としていた露出と実際の文脈が違ったという事態になりかねません。

他の企業と並んで紹介されるのか、業界の動向を探っているのかなど、取材の背景を想像しましょう。自社のサービスについてだけでなく、業界全体を俯瞰した回答を準備しておくことがトラブルを防ぎます。取材にあたり、経営層へのブリーフィングは、リスクや懸念を伝えつつも、取材を受ける本人が意識をしすぎて何も話せなくなってしまわないよう、記者目線での面白さとのバランスを取る配慮も必要です。

当日の役割

取材当日は、予定調和で終われるように場をセッティングしつつ、広報が無理に話を遮るのではなく、記者が聞きたいポイントを先回りします。専門用語の多用や、ニュアンスが誤って伝わりそうな場面があれば、メモを取り、補足資料として後から記者へ情報を提供します。

事後のフォローアップ

万が一、記事内容に懸念がある場合、修正依頼にはマナーが必要です。「この表現は変えてください」と指示するのは取材をしていただいたメディアに対して失礼にあたります。

重要なのは、事実として起こり得るリスクを提示すること。「この表現だと、読者には品質に問題があるというニュアンスで受け取られる可能性があるため、別の表現はいかがでしょうか」といったように、丁寧に説明し、表現の相談をするのが基本です。

【広報の基本③ メディアリレーション】「掲載」の先にある信頼関係

メディアとの関係構築は、一朝一夕にはいきません。

ターゲットメディアの研究

闇雲にリリースを送るのではなく、まずは媒体研究を徹底的に行います。メディアそれぞれに記事の性質や読者ターゲット(例えば経営者層向けか、現場従業員向けかなど)はまったく異なるため、記者に刺さるネタの切り口も変わります。競合他社がどの媒体で露出しているか、どんな切り口で紹介されているかを徹底的に研究し、自社と相性の良い媒体・記者を見極めることが重要です。

ギブの精神

広報側から一方的に情報を送りつけるだけではメディアと良好な関係は築けません。「相手が何を求めているか」を考え、たとえ自社に大きなネタがないときでも、業界のトレンド情報や他社の好事例など、相手にとって有益な情報を提供し続けることが、情報源としての信頼につながります。

定期的なコミュニケーション

頻度としては、四半期に1回程度が目安です。メールを送りつけるだけでなく、時期が来れば「6月、7月あたりに予定している情報でお伝えしたいことがある」と会いに行く姿勢も有効です。

【まとめ】広報は「企業の翻訳者」

広報の仕事は、自社の価値を客観的な視点で社会に翻訳し、届けることです。技術(スキル)も大切ですが、最も重要なのは「自社の価値が社会にどう役立つのか」という視点です。

そのため、広報は第三者目線を持つメディアに触れる時間を多く持つ必要があります。メディア目線を理解するためにも、新聞やWebメディアをたくさん見ましょう。ジャーナリストがどのような視点で世の中を見ているかを知ることは、広報が施策を考える際の強力なヒントになります。

KMCのようにPR会社は効果的な広報活動の手法を数多く知っているため、伴走してもらうことで新しいPRの視点や手法が見つかる可能性が高まります。また、社内にいると自社を俯瞰して見ることは難しいため、第三者の目線から客観的にアドバイスをもらえるのは大きなメリットです。リリース一つとってもうまくいかないと悩むときは、プロに頼ることで状況が劇的に変わることもあります。

広報戦略にお困りの方は、ぜひ一度KMCにご相談ください。

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